日野市のゴミ処理見学会記

北本市ごみ減量等推進市民会議
   お金のかからない北本の
ごみ処理の仕組みを考える委員会

 1、戸別収集の現場視察  2、日野市のごみの有料化の影響調査  3、日野市の今後の取り組み
 4、平成14年度の北本市と日野市の比較  5、まとめ  6、北本市ごみ減量等推進市民会議

見学会実施日:  平成16年8月26日(木)
見  学  先 :  東京都日野市のごみ収集現場と日野市クリーンセンター
参  加  者 :  北本市ごみ減量推進市民会議会員38名・北本市環境課員2名
見 学 目 的:   1・  日野市における個別収集の現場視察
             2. 日野市のごみの有料化の影響調査
             3. 今後の減量化の取り組み方について
背景:
東京都日野市は平成12年に、ごみ処理方法を改善し、その結果家庭ごみの排出量を半減させる事に成功し、多摩地域の都市のワーストワンからベストワンに変身した都市として名をはせている。
日野市の改革は多岐にわたるが、主な改良点は下記の3点と言われている。

   1、 ごみの収集の有料化
   2、 各家庭の戸別収集
   3、 制度改革に対する600回におよぶ説明会開催による市民の意識改革


      
  




1.戸別収集の現場視察
戸別に出されたゴミ袋 は、道路に面した玄関前に、袋のままやカラス防止の網に守られて排出されている。
 
排出ゴミの中にピンクの袋が混じっていた。これは紙おむつ用の無料の袋との事。 普通ゴミは有料袋使用であるからピンクの袋は年配者や小児に対する福祉制度である。
比較的小さなアパートなどの集合住宅は、網状フェンスに囲まれて外からは徹底していると思えた。
               ⇒
マンションの様な比較的大きな集合住宅等 の中の見えにくい排出小屋を開けると燃やせるごみ、燃やせないごみ、資源ごみ等雑多に入れられていた。
                ⇒
 
ゴミの収集車は通通常のパッカー車であるが、運転者が道に沿って車を徐行させ、他の一人が
玄関前のゴミ袋を拾い上げパッカー車に放り込むと言う作業であった。
袋小路の前では、運転者も車を降りて2人とも袋を集める作業を行っている。
北本の拠点収集に比べると、時間は数倍かかる印象であった。
北本では多くの場合運転者が1人で収集も行っているが、それは拠点収集だから出来る事であって、戸別収集では収集車1台に2人は必要不可欠であろう。
収集人件費は2倍になるのだろうか
(北本の場合も規定では収集車1台に2名が定員だそうである。
とすると市はゴミの収集費を払いすぎているのだろうか?)
日野市の場合、収集係は回収道路の長さだけ歩かねばならず、随分重労働である。
袋小路での収集現場
運転者も車から降りて2人でゴミ袋を
集めている
運転者が道に沿って車を徐行させ、他の一人が玄関前
のゴミ袋を拾い上げパッカー車に放り込んでいる 
 
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2.日野市のゴミの有料化の影響調査

(1)数量的側面
日野市のゴミ処理方法の変更は平成12年に行われた。
日野市より事前に提供された資料を基に、平成11年度(変更前)と平成13年度(変更後)のゴミの排出量を、わが市民会議のゴミ処理の仕組み委員会が比較したものが第1表と第2表である。
   
第1図:家庭と事業者の排出量
 総排出量は、改正前より11,867t

(19%)減少した。家庭からの排出量

は制度改正後約26%減少し、事業

ごみは46%も増加した。これは今まで

家庭ごみとして出された事業ごみが、

戸別収集となって出し場が無くなり、規

定通りの事業ごみとして出てくるように

なったとの説明であった。このことは戸

別収集の影響と言えるであろう。
 
第2図:純粋なごみの量
資源回収を含まない純粋なごみの量

は家庭系で46%減少した。

日野市のごみが1年間で半減したと言

われるのはこの部分であろう。

事業系は前述のように46%の増加で

あった。
 
 
第3図:資源回収品の量の変化
資源回収品の量は極端に増加した。

つまり改定前年は3,809tであったもの

が改訂後は12,605tと3倍以上に増加

した。
 
 
第4図:資源回収品の量の変化
   第4図で見られるように、改訂後全ての資源回収品について回収量が増加している。中でも量的に多い
   のは雑誌、新聞紙、ダンボールのような紙類である。
   資源回収品の収集は無料である。
   このため、ごみの中に含まれていた資源回収品が、ごみとしてではなく資源回遊品として排出された。
   「しかし有料化ばかりでなく、市民の意識改革の影響も大きかった」と市の担当者は言っていた。
 
日野市の改革方法のひとつに収集袋の有料化がある。袋の値段は下記の如く設定した。
 
  家庭用:  5リットル⇒⇒⇒10円 事業用: 15リットル⇒⇒⇒100円
  10リットル⇒⇒⇒20円 45リットル⇒⇒⇒300円
       20リットル⇒⇒⇒40円     
      40リットル⇒⇒⇒80円 1世帯(4人)当たり月500円の負担になる
(日野市のシュミレーションによる試算より)
 
当方とのQ&A
  Q: 総排出量が減少したのはなぜか、又1万2千トンに及ぶ減少分は何処へいったと考え
     られるか。
  A: 戸別収集によって、近隣自治体からの日野市を通過する人がごみを置かなくなった。
     有料化により販売店に包装材などを置いてくる市民が増えたなどが考えられる。
  Q: 不法投棄は増えたか
  A: 増えていない。
 
日野市はごみ収集の方法の改訂に際し、市長が自ら駅頭に立ち通勤する市民に向かって、ごみ処理制度の改革を繰り返し訴えたと言う。
制度変更前の市民に対する説明会は、一年間に600回あまり開催された。「これらの活動を通じて市民のごみに対する意識は格段にたかくなった」と担当者は言っていた。

確かにごみの総排出量の減少と資源回収品の増加は「市民意識の改革」と「ごみ有料化」の相乗効果によるものであろう。1年間と言う短い間にごみの量を半減した日野市の努力は賞賛に値するものである。
制度改革も市民意識も、「市長が率先したからできた」と言う市の担当者の説明も、なるほどと思えた。
 
(2)コスト的側面
     (注)ごみの有料化の為に、ごみの収集袋に収集費を載せて販売しているが、それによる収入は約4億3千
        万円である。この費用は一般歳入として市の収入になる。
        第2表の費用はこの収入額とは相殺していないとの事である。
 
改革前と後の費用を比較すると、ごみ処理費用が年間
653,118千円(31.8%)上昇した。その内431,907千円は収集運搬費の増加分、103,321千円は中間処理費の増加分である。

ごみが減ったのに何故処理費用は増加したのか?
日野市の説明は、戸別収集による中間処理費の増加と資源回収品の増加による中間処理費の増加等 との事であった。資源回収により中間処理費が増加するのは資源の分別費がかさむからとの事であった。
 
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3.日野市の今後の取り組み

平成13年以降の日野市の総排出量は年2%弱の増加傾向にある。人口増も1%弱あるのでリバウンドとは言えない。
同市は改革後の課題として「リサククルだけでごみ問題は解決しない。リサイクルにはあまりにも費用がかかりすぎる。国レベルの問題であるが生産者責任を法制度化する必要がある」と、コストのかからないリサイクル、ごみのリデュースを課題としている。
また、生ごみ処理のため地元の富士電機・農工大との共同で、小学校の給食廃材からメタン醗酵によるエネルギー回収と液肥化の実験などを進めている。
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4.平成14年度の北本市と日野市の比較
 
北本市と日野市との比較は数量の上では可能であるが、費用の点では総費用と収集運搬費以外比較不能である。収集運搬費であっても倍率を見ると、費用の内容が違うのかもしれない。

人口比では日野市は2.34倍であるのに対し、総排出量では2.03倍であり、日野市は北本市より優れている。特に家庭の可燃ごみの排出は極めて少ない。
北本市と日野市の市民1人当たりの家庭ごみ排出量を比較すると第4表のようになり、日野市の排出抑制が優れているのが理解できる。。
 
一方、市民1人当たりのごみ処理費用は、北本市ごみの処理費用を比較すると北本市は11,473円、日野市は15,631円となり日野市のほうが4,158円高い。この差額を人口にかけて計算すると、日野市は北本市より年間約7億円処理費が多い事になる。
 
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ま と め
 
1.戸別収集制度の委員会評価
  今回の見学会の主テーマであった「戸別収集」には収集費が非常に多くかかる事が分かっ
   た。
  日野市の場合、拠点収集時に比べ収集費が4億3千万円ほど増加している。
  北本市で実行した場合人口比から推定して1億5千万円ほど増加するのではないかと思え
  る。
  戸別収集の利点は、排出者責任が明確になり分別が徹底する事である。
  戸別収集する事が排出量を抑制するか否かについては、委員会の中では議論が分かれた。
  隣近所の目を意識して、排出量の多い家庭は自粛するようになると言う意見と、それはあっ
  ても陽的には少ないのではないかと言うものであった。
  北本市はごみの排出拠点が約1500ヶ所ほどあり16件に1箇所程度の排出場所となってい
  るから、ごみは比較的出し易く、拠点に対する住民の目もほどほどに届いている。従って仮定
  での分別の徹底をはかると共に、排出拠点に対する住民による管理をより工夫することにし
  て、費用のかかる戸別収集は避ける方が良いとの意見が大半であった。
 
2.有料化について
  ごみ処理費の有料化は、ごみの排出量の抑制にはあきらかに効果がある。
  ごみの有料化は市民意識の向上なくして達せられないが、同時に有料化を進める事により
  市民意識の向上を促す側面もある。
  しかしごみの有料化については、色々な意見がある。
  ごみについての意見の高い人がすべてごみの有料化を支持しているわけではない。
  また、有料化のみがごみの発生抑制の手段ではないから、普段から他の方法の推進に努め
  ている姿が無ければ、市民の理解は得られないだろう。
  有料化を実施する場合は日野市の例にもあるように、市長自らに市民を説得する姿勢が無
  ければ達成できないであろう。

 
日野市の資料によると、有料化後に実行した市民アンケートの結果は、
有料化を好ましいと感じている人 ⇒⇒⇒56%
好ましくないと思う人 ⇒⇒⇒21%
特に意見が無いと思う人 ⇒⇒⇒20%
無回答 ⇒⇒⇒3%
であった。
                              
本市は、平成22年度までに焼却ごみを半減すると言う環境目標を立てているのであるから、目標達成の為の長期計画を立て、実行する必要がある。ごみの有料化は長期のビジョンの立案の中で検討されるべき手段の1つであると考える。
以上 
 
まとめ: 北本市ごみ減量等推進市民会議副会長 竹村 元宏
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最後に是非見ていただきたい映像があります。
これは日野市のごみ収集制度改革前のごみ置き場の現状です。

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